医療テクノロジーにおける安定した温度測定

クライオジェニック技術での温度管理

オプトリスCS LTはクライオジェニック技術などの医療技術で定期的に使用されています。クライオジェニック技術とは低温技術とも呼ばれるものです。温度計はマイナス150℃前後の低温を維持するために使用されます。この技術は低温衝撃療法で使われます。この低温衝撃治療はスポーツでのけが、腫れ、炎症、打撲によるあざ、筋肉のこり、浮腫、血腫、瘢痕組織の治療に使われています。これにより、迅速に腫れをひかせ、痛みを緩和できます。 

医療OEMのお客様の一人は液体二酸化炭素ガスをガス容器に入れて温度衝撃治療を施します。この液体二酸化炭素ガスはガス容器から1〜2バールの圧力で皮膚を押さえ、ドライアイスの効果を与えます。この治療中、患者の皮膚の表面温度は30秒の間に約32℃から2℃〜4℃まで冷やされます。皮膚の冷やし過ぎを防ぎ、患者に痛みを与えないようにするためには、治療中の温度管理が不可欠です。

皮膚表面の温度を簡単に管理するためにオプトリスCS TLがヘッドユニットのピストル部分に装着され、測定温度がディスプレイに表示されます。マイナス40℃から1030℃という広い測定範囲が奏功し、オプトリスCS LTは低温衝撃治療に最適な温度計となっています。正確な温度が表示されるため、皮膚へのダメージを回避できます。

デンタル製品の熱成形

医療テクノロジーでの赤外線温度センサー使用で重要な用途の一つが、デンタル製品の製造を行う熱成形装置への赤外線放射温度計の装着です。ルその一例がオプトリスのお客様で、歯科技工室で使用する熱成形ユニットを製造している方です。スポーツをするときに歯の保護材として使うマウスピースをこのユニットで製造しているのですが、マウスピースは個人個人の合わせて微調整する必要があります。

マウスピース（プラスチックホイル）の成形にさきがけて、赤外線ラジエーターで規定の温度までマウスピースを加熱し、熱で均質化します。表面の高度な均質化と改質温度の適切な調整が高品質のマウスピースを作る要です。 安定した品質を維持し、焦げやひび割れを防ぐためには素材の温度管理が不可欠です。

これまで、このお客様の会社で使用しているユニットではラジエーター部分に接触させた温度計で温度管理を行っていました。しかし最近は非接触型温度計を使用するようになっています。パイロメーター オプトリスCS LTは赤外線ヒーターの真下にインストールし、加熱工程中のプラスチックホイルの熱を計ります。規定の温度に達したら加熱が停止し、熱成形工程がスタートします。

正確な温度測定に加え、オプトリスCS LTには冷却せずに外気温度80℃までの環境下で使用できるメリットがあります。