用途
赤外線放射温度計を使用するメンテナンス方を再考する
非接触型温度測定は安全性と機材の信頼性を確保する上で不可欠なツールです。携帯式熱探知カメラの代替ソリューションとして、予防保全の用途で携帯式および設置型の赤外線放射温度計の重要度が高まっており、特に設置型はOEMソリューションや、複数の測定ポイントのある大工場での赤外線モニターとして使用されています。
開閉装置、フューズ、モーター、電気接続などの不具合を目視で見つけるのはほぼ不可能です。しかし何らかの異変が起きた場合、電気装置のほとんどが熱を持つことは誰もが知っています。携帯式熱探知カメラを補うものとして、ハイエンドの携帯式赤外線放射温度計が不備や不具合を見つける機器としての需要が高まっています。設置型パイロメーターは、モニターすべき電気部品や機械部品に到達するのが難しい、もしくは不可能な工業プラントで使用されることが圧倒的に多くなっています。
予防保全のために正確な携帯式パイロメーターを使用する

手持ち型の赤外線放射温度計オプトリス レーザーサイトLSは、熱探知カメラで問題のある部品を検知たあとで、問題の箇所を素早く簡単に検証します。これにより、マイナス32℃から900℃の環境下での素早い検査が可能になります。統合されたクロスヘア付き照準器が測定対象物を正確に狙い、測定スポットの実際の大きさを表示します。ボタンを一つ押すと、0.1℃単位でディスプレイに温度測定値が表示されます。設定した上限と下限を超える温度(マックス/ミニマム機能)を示すためにアラーム信号が出力され、測定対象物をシステマチックにスキャンできる上に、素早く不具合をピンポイントで発見できます。
すべての測定で我々が重要視していることは、赤外線放射温度計の光学レンズがホットスポットを的確に探知できるかという点です。市販されている赤外線放射温度計用の安価なレンズの解像度は非常に低く、安価なレンズが付いた機器のドットレーザーは観測での使用は可能ですが、測定スポットの実際のサイズを知ることは難しいのです。その結果、過剰に熱を持った対象物の温度測定地は実際の温度よりも低く表示されるわけです。ですので、例えば小さな電気部品が過負荷になり、過剰に熱くなった場合、測定スポットが広いとこの熱は些細な発熱と捉えられ、本来は危険な問題であっても見過ごされる事象が発生します。図1は、スイッチキャビネット内の部品をモニターする場合のレーザー/クロスヘア技術を使った正しい温度測定の手順を示しています。
オプトリス レーザーサイトLSに新たに付いている精巧な2枚組レンズが非常に小さい対象物の測定を可能にします。クロース・フォーカス・モードにすると、1ミリメートル以上であれば測定ターゲットを正確に捉えられます。62ミリメートルの距離から放たれた2本のレーザー光線がクロース・フォーカス・ポイントで交差して観測が実行されます。今のところ、市場に出回っている温度測定機器は測定距離が長い場合を想定したものか、小さな対象物の測定に特化したものばかりです。このため、使用者は複数の温度測定器を購入するか、大量の交換用レンズを購入する羽目になっています。 オプトリス レーザーサイトLSはオールインワンの測定器で、寄りのフォーカスはセレクターを動かすだけでできてしまいます。
終日モニターのための設置型測定システム
広大な工業プラントや電気設備・機械設備に容易に手が届かない工場(巨大な製造施設、高層ビル、船上システムなども含む)では、携帯式の機器を使用するのが効率的で時間の節約にもなります。また、そのような検査はランダムに選んだスポットで行われるため、傾向が分かるだけのものです。ほぼ完璧に近い安全性を得るには、継続的に終日モニターする設置型システムが必要です。
設置型パイロメーターであるオプトリスCSは最大限の多様性を持つように設計されており、例を挙げると、船上の電気システムのモニターで緩んだネジを見つける用途で使用されています。正常に機能しない母線と電力遮断器接続が接触抵抗を増やし、不具合部分に熱を発生させます。
このようにモニターすべきポイントが多数ある場合には設置型パイロメーターが現実的なソリューションとなります。設定した温度を超えた場合、アラーム信号が制御装置に出力されます。それによって加熱状態が素早く検知され、電気システムが素早く(1秒以下)遮断されます。
オプトリスCSが測定できる温度は、距離が87ミリメートル、直径が12ミリメートルという前提で、マイナス40℃から1030℃で、狭い空間にインストールすることもでき、外気温度80℃までの温度耐性もあります。この温度計は魅力的な価格の高性能製品で、測定値の精度も高く、頑丈で、デザイン的にも優れています。
この測定器は過酷な環境下で使用できるように設計されており、電磁環境両立性が非常に高くなっています。機器に電子回路パッケージが統合されており、インテリジェント観測エイドも付いています。さらに、拡張可能なアナログアウトプット(0〜10ボルトまたは0〜5ボルト)と短絡と極性反転に対する防護も備えています。
上記で説明している機器の中電圧の開閉装置は、その接続ポイントを定期的に検査する必要がなくなります。これによって、使用機械を保護し、メンテナンスコストを削減し、従業員の安全と健康を確保できるというメリットが生じます
可視化のためのディスプレイ・モニター
オプトリスTM(温度モニター)はオプトリスCS赤外線放射温度計と併用して温度管理を行う用途のために開発されました。最大12ヶ所の測定ポイントまでそれぞれのセンサー状況を可視化し、アラームとプレアラームを診断します。このアラームは工程管理にアナログで送信されます。
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