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Applications for non-contact temperature measurement of metal surfaces

赤外線を通して行う金属表面の非接触式温度測定

 

ほぼすべての産業の製造工程において、測定した温度を基に作業を行うことは製造工程と品質管理の要因です。非接触式の赤外線放射測定器は温度測定機器として広く知られています。この測定器は金属の温度測定にも役立ちます。工程温度のモニターと制御を正確に行うためには製造者の優れた指示や顧客側の測定技術に対する基礎知識が不可欠です。放射率や反射というような重要なパラメーターと、このパラメーターの不具合が引き起こす測定ミスについて、下記の記事の中で説明します。金属測定の影響についても言及し、安定し再現性のある測定が可能な理由も説明いたします。

 

時間の次に最も計測される物理的特性が温度です。赤外線温度測定機器は、測定対象物に触れることなく、対象物から発せられる赤外線放射を通して温度を検知します。しかし、非接触型温度測定とはどのような仕組みでしょうか?また、金属表面の温度測定の難しい点は何でしょうか?

 

赤外線放射配列

0K(マイナス273.15°)の絶対零度より温度の高い物体は表面から電磁放射線を放出し、この量は内在温度に比例します。赤外線放射配列がカバーできる範囲は完全に電磁放射配列内の限定された部分です。これは可視範囲0.78マイクロメートルから始まり、最大1000マイクロメートルの波長で終わります。0.7から14マイクロメートルの波長が赤外線温度測定に重要な波長です。下記のイラストの通り、これ以上の波長はエネルギー準位が非常に低く、探知機はその低さのエネルギー水準を探知できるほど繊細ではありません。

 

The infrared radiation array

物体の放射線は空気を貫通し、レンズの助けを得て探知素子上でフォーカスされます。この探知素子が放射線に比例した電気信号を生成します。この信号が増幅され、連続するデジタル信号プロセスを使って、対象物の温度に比例したアウトプット信号に変換されます。計量弁が表示または信号として放出されます。

 

測定結果を制御システムに転送する標準アウトプットが、0/4-20mA、0〜10ボルトの線形形式で装備されており、熱戦隊信号で転送します。さらに、近年最も使用されている赤外線温度測定器にはデジタル信号プロセスと装置のパラメーターにアクセスするためのデジタル・インターフェース(USB、RS232、RS485)が搭載されています。

Theoretical set up of an infrared thermometer

金属表面での赤外線放射の反応に関しては、後続の段落で詳しく説明します。その前に、探知器と信号を対象物の温度へと変換する方法について説明します。

赤外線放射による温度算出

放射線を拾う探知器が赤外線温度測定器の最も重要な要素を定義します。出現した電磁放射を通って発生する信号は完全に評価可能です。 検出器信号Uが対象物の温度Tobjectと下記のように繋がります。
Stefan Boltzmann formula

完全放射線配置内で放射される放射線から得た検出器信号は、対象物の絶対温度の4倍と比例します。つまり、測定対象物の温度が2倍になった場合、検出器信号は16倍に増えるわけです。

対象物の放射率εと対象物表面の反射外部放射線Tambient、さらに赤外線放射測定器自体の放射線Tpyroによるフォーミュラの変化も考慮しなくてはなりません。
Stefan Boltzmann formula
さらに、赤外線放射測定器は放射線配列全体の内側で稼働しません。この指数は波長によって異なります。17〜2の範囲内の1〜14マイクロメートルの波長がNで、金属(1.0から2.3マイクロメートル)を定義する温度に適した短波の測定装置の範囲は15〜17マイクロメートルです。
Stefan Boltzmann formulaさきほど説明したフォーミュラが原因で対象物の温度が上昇します。これらの計算の結果は、発生した温度としてすべて赤外線放射測定器のEEPROMの中に曲線配列として保存されます。

Stefan Boltzmann formula

そのため、赤外線放射測定器は温度測定のために十分な信号を受け取ることになります。このフォーミュラを見ると、波長範囲(放射線配列)に加えて、反射外部放射線と放射率が正確な温度速的に欠かせないことが分かります。 これらのパラメーターの重要性をこれから説明します。

黒体は重要なリファレンス

1900年頃に、プランク、ステファン、ボルツマン、ヴィーン、キルヒホフらが電磁スペクトルを詳細に定義し、赤外線エネルギーの質的量的統一性を成立させました。黒体は非接触式温度測定テクノロジーと赤外線放射測定器のキャリブレーションの物理的基礎を理解するための基本となります。

まず、黒体は発生する放射線をすべて吸収する物体です。この物体には反射(ρ=0)も伝達(τ=0)も出現しません。一方で、黒体は自身の温度に頼りながら、各波長で可能な限り最大限のエネルギーを放射します。 黒体の構造は単純です。熱探知中空体には片方の端に小さな穴が一つあります。この物体が加熱されてある温度に達すると、内部の空間に安定した温度が広がります。

 

プランクの放射法則が非接触式温度測定の相互関係の基礎を説明しています。その中では、黒体のスペクトラル特定放射Mλが半空間に入るのは温度Tと波長λによると説明(cは光速、hはプランク定理):

Planck formula 

Process of a specific emission of a black body over the wave length spectrum for chosen temperatures
Process of a specific emission of a black body over the wave length spectrum for chosen temperatures

選択温度のための波長スペクトラム上の黒体の特定放出のプロセス

図形が示すのは、各温度サンプルは、対数的に波長上の黒体のスペクトラル放出Mλということです。

 

多数の統一性が生成されましたが、ここでは2つだけ取り上げます。0から無限大のすべての波長のスペクトラル放射強度を統合することで、物体全体の放出放射バリューを得られます。この相互関係をステファン=ボルツマン法則と呼びます。非接触式の温度測定の重要性は、温度計算を説明した段落ですでに説明済みです。

 

グラフィック・アウトラインで明白な二番目の相互関係は、最大量の放射線で作られる波長が、温度が上がる途中で短波領域に移動することです。この作用はヴィーンの変位則を強調し、プランクの分化からの均一化に起因していると言えます。

 

そのため、一番とは言えずとも、この高い放射線が、高温の金属表面の温度を短波で測定できる理由の一つです。また、長波は高い強度で成り立っています。放射率と反射、これらの測定エラーへの影響は、金属が選択エミッタであるために、相当のインパクトを持っています。

選択エミッタとしての金属表面

しかし黒体の理想に叶う物体はほぼありません。実際問題として、放射表面は指定された波長範囲内で上限0.99の放射率まで到達するセンサーのキャリブレーションに使用されています。対象物の温度は、対象物の実際の放射線バリューと関連する放射率ε(イプシロン)の放射測定と、同じ温度の黒体を通して定義されます。そのため、この放射率は常にゼロと1の間になります。失われた放射部は放射率の表示を通して相殺されます。

 

測定表面の多くは波長の至るところにある一定の放射率で成り立っていますが、黒体よりも放射線の放射は少量です。このような物体を灰色体と呼びます。非金属物質の多くは、その表面の状態からは独立した長波スペクトラル範囲の中の高度で比較的一定した放射率を示します。

 

金属表面のような温度と波長によって放射率が異なる対象物を選択エミッタと呼びます。金属の温度測定を短波範囲内で行うには重要な理由がいくつもあります。まずは、高温の金属表面も短い波長(2.3マイクロメートル、1.6マイクロメートル、1.0マイクロメートル)も最高値の放射線だけでなく、最高値の放射率を持っています。次に、放射率の変化(加熱着色)で生じた温度の違いを最小限に抑えるために、これらは金属酸化物の放射率に合わせます。

Illustration of adapting emissivities of blank metals and the appropriate metal oxides

短波の赤外線放射測定器の決定に影響を与えたもう一つの重要な要因は、他の素材と比べると金属には未知の放射率があることです。短波の機器は放射率を間違って調整したときに生じる測定エラーを減らします。

The diagram shows how high the measurement errors are across the wavelength if the emissivity at metals is adjusted wrongly by 10% (Key: LT = 8…14 μm; G5 = 5 μm; MT = 3.9 μm; 3M = 2.3 μm; 2M = 1.6 μm; 1M = 1.0 μm)

反射にもかかわらず再現性のある測定

表面の放射率が低ければ低いほど、赤外線放射測定器が環境から感知する反射放射線の量が増えます。物体のほとんどは、金属のように、赤外線範囲内のトランスミッションではできていないので、下記のフォーミュラが採用されます。 ε+ρ=1 この場合、εが放射率で、ρが反射です。測定装置によって判断されて温度に変化されたこの赤外線放射線が影響を受けるのは金属表面の放射率(と相殺された放射線量)だけでなく、部品や炉といった周囲の高熱の対象物(Tambinet)を通して重要になります。

 

このTambientというパラメーターは、測定される金属表面の温度が低いほどに、また周囲からの反射温度が高いほどに、注意深く考えないといけないものです。実際、反射の量が指示されるのが普通なので、見つけ出すのは容易です。

 

反射の量は一つのサイズとして書き出すことも可能で、これにより再現性のある測定結果が保証されます。

赤外線放射測定器の使用法:高周波焼き入れと誘発プロセス

金属表面の測定の例は高周波焼き入れ時の熱処理です。この工程では、強力な交番磁界に部品が置かれ、加熱冷却されて、指定の構造を作り上げます。周波数を捜査することで素材への熱の浸透レベルを調節可能で、部品の一部だけ加熱することも可能です。希望する金属構造にするには最適の時間で加工することが必須です。そのため、工程中の温度モニターは不可欠です。

 

赤外線放射測定器の重要なパラメーターは以下の通りになります。

 

  • センサーヘッドは電子装置ボックスと分離しているため、電磁気の影響は一切ありません
  • 金属表面に適した波形(1.0マイクロメートル/1.6マイクロメートル/2.3マイクロメートル)
  • 基準温度を通すなどの周囲の温度の相殺(Tambient
  • 50℃から1800℃まで対応する信頼のおける温度測定
  • 測定後1ミリ秒以内の光速温度制御
  • 高度な光学的分解能による小型部品の測定(測定可能サイズは0.7ミリメートル以上)で、ダブルレーザー照射器によるスポットサイズのマーク付け

 

Example for an infrared thermometer for metal applications

金属の温度測定のためのオプトリス赤外線放射測定器

オプトリスは、金属工業での多種多様な用途に応えるべく、幅広い金属パイロメーター製品と赤外線カメラを提供しています。

Spezielles Infrarot-Thermometer für Metallanwendungen

金属の高温測定

下記の赤外線放射温度測定器は高温の金属、金属酸化物、セラミックの温度測定に最適です。

 

 

金属の低温測定

 

金属工業では低温の温度測定もさまざまな工程で行われます。その用途に適したオプトリス赤外線放射測定器は下記の通りです。

 

 

溶解金属の測定

 

極度に短い測定波長を持つ下記のパイロメーターは溶解金属の温度測定に最適です。

 

 

金属の測定に適した熱探知カメラ

 

オプトリスPIシリーズの熱探知カメラも金属の温度測定に適しており、下記の温度範囲をカバーします。