用途
鮮明な赤外線映像の仕組みはどのようなものですか?
熱探知カメラを使用すると製造工程の速度と安全性が上がり、完成品の品質も向上します。しかし、カメラがどのように画像を取り込み、どれくらいのピクセルがこのプロセスに必要ですか?
対象物からセンサーに放射される赤外線放射にフォーカスするためにレンズが使用され、ここで発生した電気信号がレンズが感知した放射量と比例します。この電気信号は増幅され、その後のデジタル信号処理を経て、対象物の温度に相当する量のアウトプットへと変換されます。測定値はディスプレイ画面に映し出されるか、アナログ信号として提示されます。熱画像カメラの核心部分である画像センサーは厚さ150ナノメートルの焦点面アレイ(FPA)で、2万〜100万ピクセルまで自在に設定できます。ピクセル自体は17x17〜35x35平方マイクロメートルまでのマイクロボロメータで構成されており、熱放射を吸収すると抵抗値が変化します。抵抗の変化によって信号電圧が変化し、これがボロメータのレジスタ全体を減少させ、その後に分析されます。
原則として、ピクセル数と詳細の度合いが比例します。熱探知カメラには物理法則も適用されるため、メガピクセル・カウントの高いセンサーはマイナス効果に影響されます。写真撮影用のデジタルカメラ同様に、現在、小さな表面のピクセル数がどんどん増加しています。このため熱放射をキャッチするピクセル一つ一つのスペースがどんどん狭くなっています。つまり弱信号を増幅する必要がありということです。しかし弱信号を増幅すると、破壊的ピクセルと温度測定の不正確さを生じさせる信号内ノイズを増加させる結果になります。この信号内ノイズはソフトを使用した防音で中和され、取り込まれた画像がリタッチされます。その結果、ノイズ同様に画像構造も整えられて上質な画像となります。解像度の高い赤外線カメラの中にはディテールを更に細かくしようしているものもあり、これにはサブピクセル幅のチップの機械的動作によって生成される複数の画像を挿入したり、上からかぶせたりする手法が用いられています。
酷使されるピクセル
ノイズ同様、第2の問題が生じます。その問題とは、グラスに入った水のように、どんどん小さくなるピクセルが吸収できる熱放射量には限界があり、一定量を過ぎると「溢れてしまう」ということです。一つの画像領域が「最高値」でマッピングされると、それ以外の領域の詳細は識別不能になってしまいます。
しかし、あまり注目されないカメラレンズの性質がここで決定的な役割を果たします。カメラレンズが測定対象物から放射される赤外線エネルギーを、エネルギーをできるだけ失うことなく画像センサーへ送ることができないのであれば、最大のピクセル数を誇るセンサーを使う意味があるのでしょうか?レンズが完全に分割できる一つのピクセルがFPAの個々のピクセルよりも大きい場合、一度に1ピクセル以上が露出されます。そのため明らかなピンぼけが生じます。この場合は、レンズとセンサー間のインタラクションを考慮した時にのみ実際の解像度を確認できます。
ピクセル一つ一つに時間と記憶容量が必要
熱探知カメラの解像度が上がると、それによって定性的影響と共に望ましくない副作用が生じます。カメラで記録するときに発生する大量のデータは保存する前に処理する必要があります。ここでは限定されたライブデータの転送速度が最初の障害となります。その後データ転送にはそれ相当の時間を要し、これが動画機能のサンプリングレートを低下させます。加えて、熱画像や熱映像がコンピュータの容量を圧迫する点や付属のストレージ媒体の容量なども考慮する必要があります。
また、正しい使用法も同じくらい重要です。普通のデジタルカメラと同じように、熱探知カメラにも視界(FOV)があり、テレフォトレンズでは6°まで、標準的なレンズでは26°まで、ワイドアングルレンズでは90°までカバーできます。対象物からの距離が離れると、それに比例して取り込む画像範囲が広がり、その画像範囲内の画像詳細は個々のピクセルが取り込めるものに限定されます。
測定装置の光学的分解能は測定する対象物の大きさ、対象物とセンサーの距離に合わせて設定しないといけません。左側の図では、測定スポットの範囲が大きすぎるため、かなり温度差のある冷たい回路基板の熱放射も含まれてしまい、これによって温度測定値が大幅に歪んでいます。このため、カメラの測定スポットは測定する対象物の大きさよりも広くなってはいけません。
同じ理由から、非常に小さい対象物を測定する場合や、熱探知カメラと対象物の距離が大きい場合には、高解像度が極めて重要ということになります。オプトリスが多なった実験では、同じ距離と同じ環境で、2つの解像度を使ってワイヤーの温度を測定してみました。640x480ピクセルで70.4℃のホットスポットが正確に検知できた一方で、80x80ピクセルでの測定ではその半分の量の測定値しか測定されませんでした。
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